さぁ!今日もみんな元気かな〜!?
ドクターはいっつも元気やなぁ。
ボクはとりあえず、眠いわぁ。
チロ丸は四六時中眠いって言うてるやないの!
ほんまに、やっぱりグウタラやなぁ。
ドクターSはいつも笑ってるけど、
そんなに毎日ええことでもあるわけ?
何を言うとる、すぬ子ちゃん。
毎日平和に生きられてるだけで幸せじゃと思わんかね。
ユダヤ人が受けてきた仕打ちを知れば知るほど、
いかに今がありがたいかをひしと感じるぞ。
確かにねぇ。
ドクターが紹介してくれてる映画、悲惨なんばっかりやもんなぁ。
ユダヤ人の歴史って、学べば学ぶほど、ほんまに辛い。
自分のことに置き換えて考えようもんなら耐えられへんわ。
こんなに毎日平和にグウタラできてるボクって、
幸せすぎるやん⭐️
はぁ〜〜〜。
チロ丸、あんたはダラけすぎ!
ええ加減にしときや。
で、ドクターS 。
今日はどんな映画を教えてくれるん?
ほーっホッホッホ。
チロ丸はそのダラけたところがええとこじゃな。
徐々にチロ丸も学んでいけばええぞ。
本日の映画は、日本でもかなり有名になった映画だと思うぞ。
見たことはなくても、
題名を聞いたことくらいあるんじゃないかな?
フランスのカンヌ映画祭で、最高賞を受賞し、
アメリカのアカデミー賞でも賞を取っておる映画じゃぞ。
『戦場のピアニスト』という題名の映画じゃ。
あ!それ、聞いたことあるかもしれん。
題名のまんまで、ピアニストの話やろ?
あはは。そのままじゃな。
そう、これは、第二次世界大戦中、
ポーランドのワルシャワで、
シュピルマンという有名なピアニストが
ナチス・ドイツ軍から逃げ切った実際の体験を
映画にしているものじゃ。
この映画の中でも、例の如く、多くのユダヤ人が殺されておる。
あと、わしが初めて見たのは、
ユダヤ人ゲットー警察官が、自分と同じ民族であるユダヤ人を
強制収容所に移送する列車につめ込んでおる姿じゃ。
あ、私ちょっとその警察官、
ちょっと調べたことあるやけど、
自分が殺されへんように、ドイツ人よりひどいことした、
って人もいるらしいで。
でも、結局その人らも収容所に送られたらしいやん。
ほんま、酷い話やわ。
さようか。
同じ民族なのに、、、と思うが、
みな生きるのに必死だったんじゃろうな、
と心が痛んだよ。
映画に話を戻すと、この映画は、なんといっても、
終盤に現れる1人のドイツ兵がポイントじゃ。
この人が主人公のシュピルマンを匿ってくれたおかげで、
シュピルマンは生き延びられたのだ。
ユダヤ人に対して、平気で銃を何発も発砲するような
血も涙も無いドイツ兵ばかりの中に、
まさか、こんなに慈悲深い人がいたのかと思うと
心が和むわい。
へぇ。それはびっくりやん。
ドイツ兵といえば、ナチス一色かと思い込んでたけど、
まさかボクみたいな心の優しい人がいるなんて⭐️
で、その人、どんな人なん?
チロ丸の自画自賛はスルーさせてもらうぞ。
ほーっほっほ。
このドイツ人、名前はホーゼンフェルトさんと言うぞ。
お父さんが敬虔なカトリック教徒で、
教師をしていたそうだ。
そして、ホーゼンフェルトさん自身も
教師になってがんばっていたのじゃ。
ところが、第二次世界大戦が起こり、
ナチス党員として働くことになる。
ナチスでは、スポーツ施設管理部隊の責任者などを
しており、そこそこ偉い人だったようじゃ。
映画でも、部下をまとめる偉い人という様子で
登場しておるぞ。
彼は、ナチスドイツで働くものの、ナチス・ドイツ兵の
あまりにも残虐な行為に幻滅していったそうじゃ。
ナチスドイツのやっていることは
間違っていると気付いたんじゃろうなぁ。
戦時中、ポーランド人やユダヤ人など、
たくさんの人を支援する活動をしていたらしいわい。
ドイツ兵のなかでそんなことするなんて、
自殺行為やん!?って思うけど、
そんなことするドイツ兵がいたなんて、ほんとに驚きやわ💦
よく殺されへんかったな。
そうじゃな。
結局、戦争が終わり、ソ連兵の捕虜となってしまう。
そして、ソ連の軍事法廷で戦犯とされ、
強制労働・懲役25年の刑を課されたのじゃ。
助けられたポーランド人などが国を通して
ホーゼンフェルトさんの無罪を主張したそうだが、
ソ連には受け入れられなかった・・・。
その後、拷問や脳卒中の発作などで精神を病み、
1952年8月、戦犯収容所で逝去した。
ホーゼンフェルトさんは、死後、
ポーランド政府から勲章が授与され、
イスラエル政府からも「諸国民の中の正義の人」
という称号を贈られ、
ホロコースト記念館の中に名前が刻まれているそうじゃ。
今までナチスドイツって100%例外なく”悪”
って思ってたけど、
中には、ちゃんと、善悪の判断を
自分の頭でできた人がいた、
ってことがわかる映画なんやんね。
そうじゃな。
そういう人はごくごく稀だったんじゃろうがな。
とにかく、これは有名な映画じゃし、見ておいて損はないぞ!
一度見てみなはれ!
ではまたな〜⭐️
画像出展「アマゾン」
参考文献:みるとす(2011年8月号)