不屈のユダヤ人検事長、映画『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』


すぬ子すぬ子

ドクター。この前、『ハンナ・アーレント』って映画
教えてくれたやん。

そのとき、アイヒマンを捕まえる前もドラマがあった
みたいなこと言うてたやんか。

どんなことがあったんか、教えて教えて。

ドクターSドクターS

さすが、すぬ子ちゃんは好奇心旺盛じゃな。
すばらしいことじゃわい✨

よし、では、どんなことがあったかを
分かりやすく教えてくれる映画を紹介しよう。

『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』

という映画じゃ。

ドクターSドクターS

その前に、この前の映画は
「アイヒマンって誰やねん!?」ということについて、
何も話をしておらんかったな💦

すまんすまん💦

今更かもしれんが、ちょっとだけ前提を話しておこう。

アイヒマンというのは、
1932年オーストリアでナチスに入党した。

事務処理能力が非常に高く、
1,100万人ものユダヤ人のリストを作成し、
ユダヤ人移送の責任者になったんじゃ。

ユダヤ人の”ガス室送り”が決まってからは、
組織の命令に”忠実に”従い、ユダヤ人を次から次へと
ガス室に送りまくった。

そして、戦後、戦争犯罪者として捕まった。

・・・が、しかし、なんと、脱獄するんじゃ。

どうやら、この時代、元ナチス親衛隊(SS)の人たちを
海外に逃亡させる集団は複数あったらしいぞ。

すぬ子すぬ子

へぇ〜💦

なんなんそれ。アイヒマンって捕まったくせに
脱獄してるんかいな!?

全然悪いことしたと思ってへんやん。

ドクターSドクターS

それがな、アイヒマンに限らず、

戦争が終わってからも、元SSたちは政府の要職につくなど、
処罰されていなかったそうじゃ。

ということで、この映画は、
そんな状態に怒っていた主人公の
フリッツ・バウアー州検事長が、

「とにかくアイヒマンを捕まえるんじゃ!!!!」と
不撓不屈の精神でがんばるストーリーだ。

彼は、アイヒマンをつかまえて、
他の元SSたちも芋づる式に裁こうとしていた。

だから、本当はアイヒマンをドイツで
裁判にかけたいと思っていた。

ところがじゃ、さっきも言ったように、
ドイツ政府の要職にもたくさんの元SSがいた。

もしアイヒマンが裁判でドイツ要職についている人の
名前を出して悪事を暴露しようもんなら、
国内が立ち行かん、と政府は判断したんじゃろうな。

ドイツ政府は、アイヒマンが
イスラエルの諜報機関”モサド”に捕まったあとも、
引き渡しを請求しなかったんじゃ。

ドクターSドクターS

それから、もっと驚きなのが、
アイヒマンが捕まったのはもちろん、
このバウアー検事長がモサドに情報を
提供したからなんじゃ。

しかし、なんと、そのことはバウアー検事長が死んでから
10年たってようやくオープンにされたんじゃよ。

それまでは、すべてモサドの功績ということになっておったんじゃ。

アイヒマンを捕獲することは、
国家反逆罪で捕まるくらいのことだったため、
身の安全を考えて、死後まで伏せられていたらしいぞ。

すぬ子すぬ子

へぇ。いろいろややこしいなぁ。

バウアーさんも命懸けやん💦

ドクターSドクターS

そうじゃな、実際、この映画でも出てくるが、
脅迫状や非難の電話は多数あったそうだ。

しかしな、このバウアーさん、命をはった甲斐あり、
1963年に、ついに、”アウシュヴィッツ裁判”を実現するんじゃ。

臭い物に蓋をするという世の風潮からは一転、
戦時中のナチスの蛮行が一気にあばかれた裁判じゃよ。

戦後、ニュルンベルク裁判という軍事裁判は
あったにせよ、一部のトップ達がさばかれただけだったようじゃからなぁ。

すぬ子すぬ子

にしもて、1963年って、戦争終わってから
もう18年も経ってるやん💦

戦争終わってすぐに「反省します!」ってなったんかと
思ってたけど、全然ちゃうんやな。

ドクターSドクターS

そうじゃな。
戦時中の罪を蒸し返すことより、社会の安定や、
経済復興の方が優先されたようじゃ。

実際、この映画を見てみても、元SSの人間たち、
過去のこと全然反省してないやないかい!?

と突っ込みたくなるシーンがいっぱいあるわい。


すぬ子すぬ子

全体的に、”喉元過ぎれば熱さ忘れる”
って雰囲気やったんかな。

立ち向かったバウアーさん、尊敬するわ!

映画見てみるわ!ありがと〜⭐️

じゃぁ〜ね〜👋

ドクターSドクターS

あ!ちょっとちょっと、すぬ子ちゃん!

すぬ子すぬ子

あ〜、はいはい。お決まりの〆のジョークね。
忘れとったわ💦

ドクターSドクターS

さよう。

さすが、すぬ子ちゃん、よく思い出したじゃないか。

今回は手短にいこう。

怠け者

モシェは怠け者だった。

その彼がボスのところに行って、こう言った。

「あぁ、1日が25時間あったらなぁ」

アブラハムはモシェが日頃サボってばかりいるのを
誰よりも知っていたので驚いた。

お前もようやく心を入れ換えて、
一生懸命働く気になったのかい?

「いや、そしたら1日に1時間だけ仕事ができるのにぁ」


すぬ子すぬ子

なんやそれ。チロ丸みたいやな。


ドクターSドクターS

あはははは!

そういえば今日はチロ丸はおらんかったな。

まぁ、よいか。

ではまた次回!

画像出展「Amazon」

参考文献:みるとす(2011年4月)、「ユダヤ・ジョーク集」ラビ・M・トケイヤー、