お〜い!
すぬ子ちゃ〜ん!!
チロ丸〜!!
どこにおるんじゃ〜い??
お〜い!!
なんやのドクター。
そんな大きな声出して、仰々しいわ〜。
なんかあったん?
もしかして、結婚発表でもするんかいな!?
え!?ケッコン!?
このわたしを差し置いて、先に結婚なんて許さんで!
いやいや、おいおい、
2人とも何を言うとるんじゃ💦
わしが結婚なんてできるわけないじゃろうが。
もちろん、結婚願望はあるんじゃがな!
って、結婚の話はまぁ今はいいとして。
違うんじゃ違うんじゃ。
今日は、2人にどうしても見てほしい映画を
紹介したくて、2人を探しておったんじゃよ。
な〜んや。また映画の話かいな。
なんの事件かと思ったやんか。
ほんま、ほんま。
大げさすぎるやん。
まぁ、でもドクターがそんなに騒ぐってことは、
よっぽどやな。
そんなに面白い映画なん?
よく聞いてくれたぞ、チロ丸よ。
実はな、今回は日本人が何千人ものユダヤ人を
救った、という何とも誇らしい話なんじゃ。
へぇ〜!すごいやん、それ!
わたし、前から思っててんけど、
ユダヤ人と日本人って、あんまり関わりないやん?
イスラエルから遠いってのもあるけど、
宗教的な関係もないし、
日本にユダヤ人って1,000人くらいしか
住んで無い、って聞いたこともある。
周り見渡しても、
身近にユダヤ教徒なんておらんしな。
だから、良くも悪くもユダヤ人に対する
印象自体が薄いよね。
だからこそ、差別意識とかなくていいな、って
私は思ってるけどね。
だって、ユダヤ人を差別する人らって、
多分、生まれた時からそういう環境にいるから、
ユダヤ人を差別するってことが多いと思うねん。
でも、日本にはユダヤ人を差別するって環境が
そもそもないもんね。
そりゃ、一部には”ユダヤ陰謀説”みたいなんを
言う人はいるけど、
それだって、別に生まれたときからそういう知識を
不可抗力的に植え付けられたわけじゃないくて、
大人になってから、いろんな本とか情報で
そう思うようになった、ってだけの話でしょ。
だから、多分、日本人の多くが、
”生理的にユダヤ人を嫌い”ってことには
ならへんと思うねん。
さすがすぬ子ちゃん。
いつも洞察力のある分析をありがとう。
確かにそうじゃな。
関わり合いが薄い。おっしゃる通りじゃわい。
そういうのもあって、
この「杉原千畝さん」も、知らない日本人も
多いんじゃ無いかな。
歴史の教科書には出てくるのかな?
そこはわしも調べておらんが、
もし出てきたとしても、
メジャーなテストの設問には
ならんような気がするなぁ。
実際、日本自体がこの杉原千畝さんを
評価したのも、1991年。
なんと、戦後46年も経ってからじゃぞ。
というのも、実はこの人、ユダヤ難民のために、
外務省訓令を無視して、ビザを発給し続けたんじゃ。
その結果、1947年には外務省をクビになった。
え??どういうこと?
もうちょっと最初から説明して〜や。
お〜すまんすまん。
ついつい興奮してしまって、
話をはしょり過ぎてしまったわい。
では、この映画『杉原千畝』の内容を簡単に
説明しようかのう。
杉原千畝さんというのは、外交官じゃった。
非常に優秀な外交官で、語学能力がとても
高かったそうじゃぞ。
かっこいいなぁ✨
1939年夏、杉原さん一家は
リトアニアの当時の首都カウナスの
日本領事館に配属された。
(上の写真)リトアニアの位置↓ (下の写真)首都カウナスの位置
うわっ。
リトアニアってドイツとロシアに挟まれてるやん💦
お!チロ丸にしては
いいところに気がついたじゃないか!
リトアニアは第二次世界大戦中、ソ連に編入されたかと
思ったらドイツに占領されて、またソ連に・・・と
非常に大変な場所じゃ。
杉原千畝さんがいた時代は、
まもなくソ連に編入されようとしていた時じゃった。
かつ、東にあるポーランドからは、
ナチスによるユダヤ人狩りから
逃れてきたユダヤ人がたくさん来ていた。
杉原さんは、まさに、このユダヤ人たちに対して、
日本経由のビザを発行して、
6,000人ものユダヤ人を救った人なんじゃ。
この時に、日本政府に2回ビザの発行を
打診するものの、いずれも断られた。
普通の外交官ならここで諦めて、
ユダヤ人を追い返したじゃろうなぁ。
ところがじゃ、杉原さんは違った。
自身の判断で、ビザを発行したんじゃ。
外務省をクビになることも、
当然わかっていたに違いない。
権力に逆らい、自分のことを犠牲にしてでも、
良心に背くわけにはいかない、と
決断したんじゃ。
涙が出るじゃろ。
このとき、杉原さんが残した言葉があるんじゃ。
紹介しよう。
苦慮、煩悶のあげく、
わたしはついに、人道博愛精神第一という結論を得た。
どうじゃ。
感動するじゃろ。
ほんまやな。
”命令されたからやったんです”
って言い訳してた、どっかの軍人さんとは
えらい違いやん💦
とはいっても、こんな時代に
杉原さんみたいな英断できる人の方が
珍しいんやと思う。
歴史的には途方もなく立派なことしてるのに、
戦後直後は外務省をクビになったわけやもんな。
杉原さんが残した言葉の通り、
本当に心の底から悩み抜いた結論だったんじゃろう。
確かに直後には報われなかったが、
戦後ずいぶん経ってから功績が評価されたぞ。
日本政府よりも前に、まずはイスラエルから
1969年、宗教大臣に賞を贈られ、
さらに、1985年、イスラエル政府から
「諸国民の中の正義の人賞」というのを贈られた。
報われて良かったなぁ。
やっぱり正義は勝つ!やねんな。
そうじゃな。
とにかく、この映画は、杉原千畝さんの
まっすぐな信念に心を打たれる映画じゃ。
そうそう、あと、
杉原さんのお嫁さんも何とも言えない存在感を
醸し出しておるわ。
ほら、有名な女優さんで”小雪さん”っておるじゃろ。
あの人が演じておるんじゃわ。
わしはあの人のセリフで、印象に残ったものがあってなぁ。
強く共感したのでちょっと紹介しておこうかな。
世界はこんなに広くて、そこにいる人は肌も目の色も全然違うのに、
こころはみんな同じ。
これじゃ。
この言葉を聞いた時に、
人種や民族で差別することが
いかに愚かか、ということを
強く感じたなぁ。
まぁ、そんなわけじゃが、
この映画は、同じ日本人として、
画面の中の杉原さんを応援したくなる映画なので、
ぜひ見てみておくれ!
わかった!絶対見るわ!
ボクもみる!ドクターありがとう!
よし!では〆は恒例のユダヤジョークじゃ!
ドイツ万歳
イスラエル発アメリカ行きのエルアル航空機が
大西洋上空でエンジンに重大な故障をきたした。機長は乗客にアナウンスする。
「機体が重過ぎます。
数名犠牲になって飛び降りてください。
さもないと、全員死んでしまいます!誰かお願いします!」
フランス人が立ち上がって、
ドアのところに行き、
「フランス万歳!」
と叫んで飛び降りた。次にイギリス人が立ち上がり、
「女王陛下万歳!」
と叫んで飛び降りた。最後に、ユダヤ人が立ち上がり、
「ドイツ万歳!」と叫んで、ドイツ人を突き落とした。
あはははは!
さすが、ユダヤ人やわ。
画像出展「Amazon」
参考文献:「ジョークジョーク」、学習まんが人物館「杉原千畝」