映画『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』6歳の男の子が誘拐された!?


ドクターSドクターS

お〜い!てぇ〜へんだ!てぇ〜へんだ〜〜〜!

チロ丸が誘拐されたぞ〜〜〜〜!

すぬ子すぬ子

え!?ドクター!

どういうことなん!?
チロ丸がなんで誘拐なんかされるん!?

誘拐って、なんのため!?
身代金!?
今の時代、奴隷なんてわけないしな。

あ〜〜〜〜どういことや!
どうしたらいいんやろ💦

とりあえず、警察には届出だしたん!?

ドクターSドクターS

いや、これからじゃ。
そうじゃな、まずは警察じゃな。

急いで警察に行ってくるぞ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

チロ丸チロ丸

ただいまぁ!

あ〜サイコーやったわ〜!

すぬ子すぬ子

は!?なんでチロ丸いるん?

誘拐されたんちゃうの???

ドクターSドクターS

あれ???

チロ丸、さっき、真っ黒で高そうな車に乗って、
どこかに連れて行かれたんじゃないのか!?

チロ丸チロ丸

へ?

ふたりともすごい形相してどないしたん?

さっきの車はリムジンな。

めっちゃ金持ちの友達がいて、
乗せてもらってん🎵

座席にはふかふかの毛皮みたいな
クッションがひいてあってさぁ。

豪華絢爛っぷりに感動したで〜。

さすが、お金持ちは違うなぁ🎵

にしても、なんで誘拐や!なんて
思ったわけ?

ドクターSドクターS

いやぁ、すまんすまん💦

あんな真っ黒で立派な車にチロ丸が乗るなんて
尋常じゃないじゃろ💦

それにな、最近見た映画が頭の中を
ぐるぐるしておって、もしかしたら
チロ丸も誘拐されたんじゃ!?

と勝手に思ってしもうたんじゃ〜。

すぬ子すぬ子

なぁ〜〜〜〜〜〜んや。

びっくりした〜〜〜〜〜。

ドクター、ひと騒がせすぎるやん!

まぁとにかく、チロ丸が無事でよかったわ。

だいたいさ、チロ丸を誘拐したところで、
身代金なんて払えへんしな!

あはははは!😆

あ、ところで、ドクター。
その映画ってなんの映画なん?

またユダヤ関係の映画?

ドクターSドクターS

お〜。

それはもちろんじゃ。
最近わしがみる映画は
すべてユダヤがらみじゃからな。

では、チロも無事に戻ったことじゃし、
映画の話でもするかのぉ✨

チロ丸チロ丸

お〜!いいね!

映画の話よろしく〜!

ドクターSドクターS

今回はな、めずらしくホロコーストものではないぞ。

1851年〜、イタリアのボローニャで実際にあった話じゃ。
ボローニャというのはイタリアの北半分にあり、
地図で見るとこの辺じゃぞ↓

モルターラさん家に新しい命が誕生する。
名はエドガルドくんじゃ。

しかし、そのエドガルドくんが、病気になってしまい、
当時、召使をしていたカトリック教徒の女性が、
地獄に落ちないように、と
勝手に”洗礼”をさずけたのじゃ。

この”洗礼”というのは我々日本人からすると
全くピンとこんよな。

わしも意味がしっくりくるまでに随分かかったぞぉ。

まぁ、簡単に言えば、洗礼=キリスト教の信者になる
ということじゃな。

ユダヤ人の家庭に生まれたからには
何もしなければ当然ユダヤ人じゃ。

ところが、洗礼によってキリスト教に
変えられていたんじゃ。

しかも、両親がまったく知らないところでな。

そして、6歳になって、いきなり、エドガルドくんは、
教皇のもとに連れ去られるんじゃ。

何も知らない両親がいきなり子供を奪われるなんて、
今の常識で考えたら、信じられんよな。

”洗礼”なんてクソくらいじゃ!
そんなもんに科学的根拠もないし、
法的拘束力もないわい!

と言っても、今なら通用しそうじゃよな。

ところが、この頃はそれが通用せんのじゃ。

教皇の権力が強くて、教会法という
カトリック教会のルールが絶対なんじゃなぁ。

時代の価値観や常識というのは
恐ろしいもんじゃな。

両親はなんとか連れ戻そうと
ユダヤ人共同体の代表に相談して
教皇に取り合ってもらったり、

裁判所で審議もされたんじゃが、
結局息子を取り戻すことができなかった。

すぬ子すぬ子

え〜〜〜〜〜〜💦

そんなことありえへんわ!

そんな簡単に洗礼できるようにしてる制度自体、
そもそもおかしくない!?

だってさ、召使が勝手にやったことでしょ?

お父さんもお母さんも知らんとか
おかしいやん!
普通はそんな赤子のことやねんから、
両親の許可取るのが常識やん!

って、普通は、だれでも考えるよね。

ドクターSドクターS

ほんまにそうじゃな。

わしらの感覚からすると「は?」と
思ってしまうような出来事じゃな。

結局この件は大騒ぎになるんじゃが、
両親は息子を取り戻せないまま時が過ぎ、

エドガルドくんはすっかり
カトリック信者として成長するんじゃ。

チロ丸チロ丸

カトリックとユダヤって、
水と油やん💦大丈夫かいな💧

エドガルドくん、大きくなって家族と再会したの?

ドクターSドクターS

うむ。再会するぞ。

再会するんじゃがな〜。

もうアカンわ。

まさにチロ丸のいう、水と油じゃ。

カトリックを信仰しているエドガルド君と
家族はもうまったく理解し合えない仲に
なってしもうた・・・。

宗教がここまで人を引き裂くのか、と
切なくなるぞ。

家族でこれということは、
他人は言わずもがな・・・じゃな。

世界で宗教を理由に戦争が起こってきた理由が
わかる気がするな。

すぬ子すぬ子

そうなんや・・・。

宗教に翻弄される人間って、
悲しいし、怖いな。

家族より宗教が大事ってことなんかな。

人の脳っていうのは、何を学ぶかで
全然変わるんやね。

改めて環境とか情報がいかに大事かってことを
痛感したわ〜。

ドクターSドクターS

そうじゃな。

宗教にかかわらず、

現代の日常生活でも、”絶対的なもの”
というのは存在しないのかもしれないな。

人の考えというのは、自分が生きる場所や時代の
常識やルールに大きく縛られるからな。

そうそう。
最後に補足しておくが、

この映画は19世紀後半を描いておるが、
この時代はすでに近代の”革命的な”思想が
出てきた時代じゃ。

教皇の権威もすでに揺らいでいた。

この時代ですら教会のルールが強いということは、
中世などはもっとひどかったんじゃろうな・・・。

さて、では、そういうことで、
チロ丸も無事に帰ったことであるし、
映画を楽しんでおくれ!

最後はいつも通り、ユダヤジョークで
終わりにしよう!

マヌケ女

「おい、なにを探しているんだい?」

夫の質問に、花嫁は困った顔をして答えた。

「それが、氷をお湯で洗っているうちに、なくなっちゃったのよ」


すぬ子すぬ子

うわぁ〜〜〜〜〜

結婚生活、先が思いやられるね🌀🌀🌀

画像出展「Amazon」

参考文献:「ジョークジョーク」